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解雇と就業規則

労使トラブルを避けるために就業規則を整備した上で、解雇に至るまでの経緯(プロセス)を丁寧に積み重ねていく必要があります。

解雇の実態

長期雇用システムをとる日本の雇用社会の実情を踏まえると、裁判実務では、自由な解雇権行使は認められていないのが現実です。解雇は、使用者の意思表示により労働者との労働契約を終了させる行為であり、労働者に対して重大な不利益を与える行為となります。そのため、使用者が労働者を解雇することに対して、法律により非常に厳しい制約がかけられているのです。解雇の有効性は、「解雇権濫用法理」と呼ばれる判例法理により、厳しい制限を受けており、この結果、「解雇が有効」となるケースは稀(まれ)なようです。

解雇の種類

解雇は、一般的に大きく2つに分けられます。

(1)普通解雇
懲戒処分としての性格を持たず、労働者に非違行為があるか否かを問わない。簡単に言うと、労働者が法律・規則に違反する行為をした訳ではない状況での解雇全般を言います。
(2)懲戒解雇
労働者に非違行為があるときに、懲戒処分として使用者が労働契約を終了させること。簡単に言うと、労働者が法律・規則に違反する行為をした状況での解雇全般を言います。
解雇の種類 該当例
(1)普通解雇 整理解雇(経営上の必要性)
能力不足
適格性欠如
ユニオン・ショップ協定等
(2)懲戒解雇 規律違反
経歴詐称
業務命令違背等

就業規則への解雇事由の「限定」列挙と「例示」列挙

平成15年の労働基準法の改正により、「解雇の事由」を就業規則に記載すること、そして「解雇の事由」を労働契約の締結に際し書面の交付により労働者へ明示することが義務化されました。

これに伴う1つの説として、「限定」列挙説があります。これは、「該当する解雇事由が規定されていないが為に、ある労働者を解雇したいのに解雇できなくなる」、という考え方です。つまり、「解雇は、就業規則に記載されている解雇事由に限られる」、という解釈です。

もう1つの説として、「例示」列挙説があります。これは、解雇事由が限定されていなくても、包括的事由が規定されてさえすれば、「解雇は、就業規則等に記載されている解雇事由に限られない」、という解釈です。

平成15年の改正(解雇事由の明示の義務化)後も、判例を見る限り、依然として「例示」列挙説が取られているようです。しかし、私どもは、労務リスクを最小限に抑えるためには、できるだけ前者の「限定」列挙をお勧めしています。なぜなら、トラブルが発生する前から解雇事由を労働者へ明示しておくことにより、いざ解雇事由が発生した場合に、労働者の理解を得やすくさせることができるためです。また、この解雇事由の就業規則への記載とともに懲戒事由についても充実させるべきなのです。

実務上の解雇の留意点

平成20年3月に、下記の労働基準法18条の2が労働契約法へ移行されました。「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする。」

この条文で大切なポイントは、1.〜2.です。

  1. 「客観的に合理的な理由」
  2. 「社会通念上相当」

この1.〜2.をきちんと押さえられているかどうかにより、解雇無効のリスクに大きな影響が出てきます。また、「解雇に至るまでのプロセスを適切に(丁寧に)行ったか」ということはとても重要です。会社からその解雇することになった労働者に対して、誠意のある対応を積み重ねていくことが、結果として解雇に伴うリスクを逓減することになるのです。

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